オーブ弐拾参 オーブ五で雨滴の形状をご存じですかと書きましたが、ある程度以上の大きさの雨滴は 底が窪んだ中華まんのような形をしています 空気抵抗によって、多少ふらふら形状を変化させながら落下していきますし、落下の途中で 分裂したり、合体したりしますんで、きっちりこの角度でというわけにはいきませんが、 ある程度の角度の範囲で太陽の光を反射したり屈折させたりします フラッシュ撮影の場合も反射や屈折の角度がある程度の範囲内ですので、雨天時の撮影で このような反射や屈折が写真に写る角度で起これば、それは写真に写りますし、 焦点より近いところで起こったものは、ピンぼけでぼやっとした玉状に写ります その場合、単独で写ることはまず考えられません 大きな玉が一つだけってのがあったとしても、それはたまたまその雨滴だけがカメラの 直前を落下しただけで、その近傍にはもっと小さな玉とか、反射なり屈折なりがきちんと ピントがあって見えている雨滴があるはずです 粒の小さな雨滴はほぼ球形で、さらに小さな物は落下速度も遅く、まるで浮遊しているように 見えるのもありますが、球形での反射屈折のほうが、その球のおおきさに関わらず、その 角度の範囲は狭くなりますので、中華まん雨滴と同様のことが言えます もっとも、とても小さな雨滴は結果としての光の強さが不充分で、カメラから離れたものは 写らない可能性があります が、小さな雨滴はその数においては中華まん雨滴よりもはるかに多いですから、単独で写る 可能性は低いと考えます つづく