オーブ拾七 さて、見方はいろいろありますが、カメラと目で大きく異なるところは何処でしょう カメラはお金を出さないと自分の物になりませんが、目玉は生まれた時におまけでついてきます もちろん、そんなことは今回の話には関係ありません カメラのフィルムやセンサーは(フィルムの場合は撮影時には)平面であるが、網膜は半球状である これは大きな違いですね 視界周辺部と、写真の周辺部は根本的に像の結び方が異なると考えて良いでしょう それ以上に重要なことは、カメラのフィルムやセンサーは、その受光範囲において出来るだけ均一 な受光特性となるように作られているのに対し、網膜は場所によって大きく異なると言うことです 網膜の中心部は黄褐色に見えるため黄斑部と呼ばれていますが、その黄斑部の中心はすり鉢状に 凹んでいて、中心窩と呼ばれています 中心窩は最もはっきり見える場所で、はっきり見たいところがちょうど中心窩にくるように眼球を 動かすようになっています 網膜の光感受性受容器は錐体(cone)と桿体(rod)の二種類が知られていますが、錐体は中心窩に 高密度に分布し、周辺にいくにつれて、急速にその数を減らします 桿体は中心窩を取り巻くように、網膜周辺部に多く存在します つづく